どう対応する?蛍光灯の製造終了まであと2年半!「蛍光灯2027年問題」

影響のあるおうちが大多数!?「蛍光灯2027年問題」

一般照明用の蛍光灯がいずれ手に入らなくなるのはご存じですか?家電量販店などでも「照明器具の取り換えを!」と交換を促すポップが目につくようになってきました。終了の時期はランプの種類によって異なり、2027年末には全種類の蛍光灯ランプの製造・輸出入が終了となります。

蛍光灯は寿命が長いので、切れたときにその都度考えればいいか……と思う方も多いでしょう。ですが実際切れたときに慌てないためにも、自宅や実家の照明器具をこの機会にチェックするにはとてもいい機会です!そう思って、改めてぬく森スタッフたちも自宅や実家を見渡してみると……やはりそれぞれの家に蛍光灯を利用した照明がありました。中でも築40年を超えている家では、かなりの照明器具が蛍光灯ランプを使用していることが判明。さてみなさんのご自宅はいかがでしょう?いくつかあったのではないでしょうか。

というわけで、蛍光灯のタイプ別にどんな対応が必要か、ご紹介いたします。

その前に……そもそもどうして製造終了?

「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」の結果を受け、全ての一般照明用の蛍光ランプ(蛍光灯)製造と輸出入は、段階的に規制され2028年1月1日以降は全て禁止となることが決定されました。

この情報を聞いたとき、「蛍光灯という、ほとんどの家庭で使用されているランプが使えなくなるなんて大変なことだ…」と感じましたが、環境などを考慮した決定ですから、未来のために逆に進んで対応すべきと思いました。

さて、蛍光灯には直管形、環形、電球形、コンパクト形などの種類があります。
白熱灯に比べて消費電力が少なく電気代が安くすむことから、照明を長時間つけておく部屋のシーリングライトなどでは多く使用されているかと思います。

タイプごとに対応パターンが変わるので、見ていきましょう。

器具ごとにわかる「ランプの交換でOK」or「器具の交換が必要」

ランプの交換でOK!電球形蛍光ランプ

「電球型」と呼ばれる、くるくると回して取り付け外しをする蛍光ランプは、器具はそのままでランプのみを交換すればOK
口金のサイズ明るさ光色に注意して、適切なLED電球を選びましょう。


ぬく森事務所のペンダントライトやダウンライトもこのタイプ

器具の交換が必要環形蛍光ランプ

残念ながら「環形」とよばれる丸い蛍光灯を取り付けている照明器具は、器具ごとの交換が必要です。

(一部環形LEDランプもありますが、2025年9月時点では種類も少なく、適合するかしないかの判断が難しいため、安全性を考慮してこのようにおすすめいたします)

(例)環形蛍光灯使用のシーリングライト
(例)環形蛍光灯使用の和風ペンダントライト
(例)こちらは施工事例にも登場しているお宅のLEDシーリングライト。LEDシーリングライトタイプも、洋風和風さまざまなデザインがあるので、きっとお好みのデザインに出合えます!

「器具の交換」「ランプのみの交換」どっちもあり!直管形蛍光ランプ

「直管形」と呼ばれるものは、器具により器具の交換や電気工事が必要なケースとランプの交換が可能なケースがあります

グロー式の照明器具は、ランプの交換でOKとされています(※交換時、グロー球を取り外してください。詳しくは説明書等をご確認ください)
インバーター式、ラピッドスタート式の照明器具は、そのまま器具を使用するには電気工事が必要となります。
※これらを誤って取り付けると、点灯しない、発火する、などの可能性があります。

照明器具メーカーとしては、10年を超えて使用している器具の場合は、ランプのみの交換や電気工事で対応せず、器具ごと交換することを推奨しています。発火の可能性などを思うと、ぬく森としても安全・安心のために器具ごとの交換をおすすめしたいところです。

「器具の交換」が必要コンパクト形蛍光ランプ

「コンパクト形」と呼ばれるものは、器具の交換となる可能性が高いです。互換性のあるランプが今後出てくる可能性はあるかもしれませんが、環形と同様に考えていただくとよいかと思います。

照明器具の寿命って?

一般社団法人日本照明工業会によると、照明器具を設置してから10年を「適正交換時期」、15年を「耐用の限度」としています。耐用年数を超えると、器具内の部品の劣化により、破損・発煙・発火のおそれも出てきます。
ということを念頭におくと、「器具ごと交換」への心のハードルもずいぶん下がりますよね。住まいの安全はなににも代えがたいものです!

そう思うと、「ランプの交換でOK!」と前述した電球形のタイプの照明器具も、使用年数によってはこれを機に器具ごと交換してもよいかもしれません。

イメージ

LED化のメリット

☆ランプが長寿命!

よく「LEDランプは10年交換不要!」というフレーズを目にしますが、その10年というのは、「ランプ寿命40000時間」のランプを「1日8時間使用した場合」、約10年ということになります。

リビングの照明を例にして「1日8時間」をひとつの生活パターンでイメージしてみると、例えば朝6時〜8時+夕方18時〜24時、といったところでしょう。朝は点けない、昼もずっと点けている、など生活パターンはさまざまですから、10年というのはあくまでもわかりやすく表現したひとつの例ですね。

ちなみに、蛍光灯の寿命は一般的に6000時間〜12000時間とされているので、LEDランプはおおよそ3〜7倍の寿命。白熱灯の寿命は一般的に1000〜2000時間とされているので、約20〜40倍!単純にランプの寿命で比較すれば、交換頻度が低くなるので大きなメリットとなります。

☆電気代が安くなる!

比較しやすい電球形ランプ1つを例に比較してみましょう。 


「60W電球相当」として商品化されているものを比較した場合

白熱灯電球形蛍光ランプ電球形LEDランプ
60W12W6.8W
1日8時間30日使用の電気代
432円
1日8時間30日使用の電気代
86.4円
1日8時間30日使用の電気代
48.9円
(30円/KWhとしての例。各家庭の契約により電気代は変動するので、あくまでも参考金額です。)

同じ明るさを得るためのワット数が少ないということは、それだけ電気代が安くなる、ということですね。
電球1つでは大きな差は感じませんが、家全体の電気代で換算すると、電気代の軽減がかなり期待できます。

☆その他のメリット

その他のメリットとしては、「光源が熱を持たない」「虫がほとんど寄ってこない」などがあります。
「熱を持たない」ことに関しては、顔に近い高さまでさげているペンダントライトなどで熱をほぼ感じなくなります。
「虫がほとんど寄ってこない」メリットは、玄関ポーチの照明などに寄ってきた虫がドアを開けたタイミングで家に入ってしまった!なんてシーンが激減します。

LED化に対応したO様の声

O様は、リビングのシーリングライトの蛍光灯が切れてしまったことをきっかけに、家全体の照明器具を見直したいとご相談くださいました。築30年ほどたつ2階建ての家を見渡すと、蛍光灯で交換が必要な箇所は11箇所ありました。
そこで、各部屋の用途やインテリアに合わせて、過不足のない機能(調光・調色・センサー・リモコンの有無など)、デザイン性のものをご提案。全交換を電気工事士が責任を持って行い、安心・安全に交換は完了しました。

O様からは、「種類が多すぎて、なにがこの部屋には合っているのか判断するのが難しいから、頼んでよかった」と、お声をいただきました。いち早く対応されたO様に、こちらが刺激を受けた施工となりました。

ご相談承ります

「まだなんにも問題ないのに交換するのもったいないな」と思う照明器具も多いかと思います。実際、「消費電力が小さい・ランプ寿命が長い」などランニングコスト面のメリットも、その器具交換にかかる費用(イニシャルコスト)と天秤にかけたら、「あれ?お得ではない?もとはとれないんじゃない?」と感じてしまうケースもあるかもしれません。

ですが、器具の耐用年数環境問題への対応に意識をむけると、コスパだけでは語れないポジティブ出費と思えるのでないでしょうか。それに、照明器具を変えるだけでも部屋の印象は変わるので、インテリアのイメージをチェンジするいいきっかけにもなりますね。「蛍光灯がいつ切れるかわからないし、切れたときもう買えないかもしれない。器具自体は使えるけど、耐用年数は過ぎているのよね…」と気に掛けながら暮らすくらいなら、O様のように一気に解決して安心を手に入れるのもオススメです。

ぬく森では、安心して家の照明器具を交換していただけるように、いつでもご相談を承っております。
「引掛シーリング」や「カチッとシーリング」と呼ばれるタイプで天井についているものは、工事店に頼まなくともご自身で交換できますが、形状がいくつかあり、やはりプロが交換を行うほうが安心なケースもあります。
相談は無料ですので、気軽にお問い合わせくださいね。



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